起業にあたっての事業計画と税理士選び

これから起業しようとする方は、まず、その事業は採算が合うのか、その事業の利益でご自身の生活がいずれは成り立っていくのか、を起業前に考える必要があります。

そこで、いわゆる事業計画というものを、作ることになります。

そして、事業計画をある程度具体的な数字に落とし込んでいくと、起業の計画そのものの課題も見えてきます。

例えば、

・起業しようと思うエリアは、業種にマッチしているか。

・起業しようとするサービスに対し、設備投資が過剰となっていないか。

・仕入単価の想定は妥当か。

などといったことが課題として挙がってきます。

事業計画の立て方は、まずは、見込みの売上高から設定していきます。

たいていの業種について言えることだと思いますが、小から大へ向かって、数値化すると売上高の設定はやりやすいと思います。

例えば、小売業や飲食店などの場合、

(小)1人あたりの売上単価×1日あたりの来店客数=1日の売上目安

   ↓

(大)1日売上目安×1ヶ月の営業日数=1ヶ月の売上目安

   1ヶ月の売上目安×12ヶ月=1年の売上目安

例えば、1日当たり200人が来店する小売店で、1人当たりの売上が500円だったとすると、1日の売上は500円×200人=100,000円となり、1ヶ月の営業日が22日の場合、1ヶ月の売上は100,000円×22日=220万円となります。

1ヶ月の売上目安がわかったら、次に、粗利を計算します。

ざっくりいうと、粗利とは、小売業や飲食店で言えば、売上から仕入を引いた残りのことです。

例えば、一番メインとなる商品の売上が1単価100円の場合、仕入値が1単価70円であれば、粗利は30円となります。売上に対する粗利の割合(売上総利益率)は30%です。

上記の例で行くと、月の売上220万円×売上総利益率30%=66万円が1ヶ月あたりの粗利となります。

この66万円から、月々の水道光熱費や通信費、家賃などを支払い、従業員がいれば給与も支払う必要が生じます。借り入れがあれば、返済分もここから差し引かれます。

そして、最後に残ったものが起業するあなたご自身の給与となります。

もし起業しようとしているあなたご自身が、開業後、1ヶ月の生活費を30万円でやりくりしようと考えているとすると、借入がない前提で考えると、水道光熱費や通信費、家賃、給与、広告費、交際費など(毎月固定でかかってくるものですので、固定費などと言ったりします)に使えるお金は66万円-30万円=36万円となります。

仮に設備投資などで当初から借り入れがあり、毎月の返済が10万円あるとすると、固定費に使えるお金は36万円-10万円=26万円となります。

こう考えていくと、人を雇うのはぎりぎりかな、とか、家賃は5万円が限度か、などと次の段階を考えることができます。

事業はなかなか夢や希望だけでは回っていきません。

実現性の乏しい起業はやめた方がいいと思います。

しかし、軌道に乗る可能性が五分五分のところまで数値化できたのならば、私の個人的な考えとしては、チャレンジしてもいいのではないかと思っています。100%間違いなく軌道に乗る事業などはないです。

実現性に乏しいかどうかは、じっくり計画を立ててみて、課題の解決を探りながら感じるものです。

税理士は、主たる業務は税金の計算、税務申告・税務相談等ですが、これらの業務を通じて、事業者様の具体的な数字を扱っていきます。

その中で発見する事業の問題点を、事業者様とお話しする機会を多く持ちます。

これから起業する方々にも、多少なりとも有益なお話ができるかと思います。

起業をお考えの方は、ぜひ一度、税理士にご相談ください。

それと、税理士を選ぶうえで、なによりも大切なのは、相性です。くれぐれも、安さで選ばないでください。

話をする中で、安心して相談できるな、と思える税理士を選んでください。